754 粘っこい
今回はコレ↓を作ります。
素材がA5052です。
アルミニュームですが、ちょっと
粘っこくて切削加工には不向きです。溶接する部品なので、この材料でないと不具合が出てしまうのでしかたありません。
まずは、汎用機で荒削りです。ドリルでφ35の下穴を空けて開けておきます。
CNC旋盤にチャッキングします。今回は硬爪を使いました。ちょうど良いサイズの生爪がなく、整形も手間がかかります。つかみ代も十分あり、外径も関係ないのでこれでいきます。
粘っこい材料だと書きましたが、粘っこいと切り屑がうまく処理できずに絡みついてくるのが、厄介なのです。
そこで今回は、突っ切りバイトで溝入れ加工することにしました。溝入れ加工では、ステップしてくれるので、切り屑が一定の長さで切れます。2次元加工なので切り屑がカールしやすいということもあります。約4ミリ幅で加工していくので、効率もそんなに悪くはありません。
先端の段付き部分を加工しました。
外径加工が完了。溝加工の最後の工程で外径を長さ方向に切削する時に長い切り屑が発生して絡まるようです。
切り屑を取り除くと外径はキレイに仕上がっています。端面がビビって仕上がりません仕上げ代を変えてみたりはしたのですが、結果は変わりませんでした。チップが古いヤツだったかもしれません
続いて、穴繰り加工です。
ご覧のように絡みついています。
これが原因で切り屑の排出が悪くチップの欠損が起きたり、絡みついた切り屑が切削面を傷つけたりすることになります。
仕上げパスの前に切り屑を取り除いています。
最後に切り落とします。
そのまま落として変形したり傷ついたりしないように皮一枚残しています。
最後は手ノコ
最後の切り落とし工程でソリが出ています。
やっぱり切れ味が良くなかったかな。無理して削ることになるので熱が発生して変形しているのでしょう。
汎用機の生爪で保持して表面の荒さと変形を削り取りました
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