600 壺

iso

2017年07月19日 18:00

キリ番ですね
ということで長編でお届けします

今回はコレ。SUS304です。


外見からはなんてことないように見えます。
中(内側)がややこしいんですよ


写真じゃよくわかりませんね。

手書きの内面図です。クリックすると大きな画像になります。
隅部はR5(テーパ部R10)が付いています。
赤字は荒削りの寸法を書いています。


まずは外径から。
細い方を荒削り
 トンボ(ひっくり返し)太い部分をがっちりチャッキング。
長さ荒削り→内径荒加工(50キリ→φ58までバイトで繰り広げ)
 トンボ(ひっくり返し)
テーパ面加工(R部残し)→細い方を中仕上げ→太い方の捨て削り(芯出しのため)↓加工後の状態

 トンボ(ひっくり返し)細い部分をチャッキング、芯出し。
太い外径の仕上げ削り
 トンボ(ひっくり返し)太い部分をチャッキング、芯出し。
細い外径の仕上げ→テーパ面の仕上げ→Rの加工

CNC旋盤でいきたいところですが多忙につき汎用機です

いよいよ内径加工。
荒削りから。

入り口φ60で穴底φ85なので12.5mmの段差がありますからその分突き出したバイトを使用します。入り口が大きい(φ60)のでゴッツいシャンクを突っ込めるので楽は楽です。CNCだったらどんなバイト使うんでしょうか?そんなに突き出たバイトあるのかな。。。
このバイトで先ほどの図面の赤数字の寸法で削っていきます。長さ方向に0.5mm、径方向に1mm取り代つけています。隅のR部とテーパ部は残しておきます。

テーパ部の荒削りは超硬のスロウアウェイバイトで。
突き出しが足りないので傾けて取り付けて稼いでいます。


中仕上げ。
先ほどのハイスのバイトに戻って、長さ方向、径方向共に0.1mm残して削っていきます。隅のR部も1mm刻みの階段状に削っておきます。

仕上げ。
Rバイトに替えて仕上げていきます。
まずは手前側から。R部を荒削りして、端面、内径を寸法に仕上げます。
続いて奥側。手前側と同様に削っていきます。内径は適当につないで削ります。


テーパ部の仕上げ。
R10のバイトに変えて立ち上がりの隅のRを作っていきます。
その時に少しだけテーパ面まで削っておきます。

超硬のスローアウエイに替えてテーパ部を仕上げていきます。
R加工の時に削っておいたテーパ面とつながるように削っていきます。
見えないので目盛りと音が頼りです。

テーパの小端側の角のRの加工です。
総型バイトを作って削っていきます。
テーパ面、内径面に変な傷をつけたくないのでバイトの角が当たらないような形状に整形しています。
バイトは細くなるし、当たり面(切削刃長)が長くなるのでビビりが心配です。
角がなくなって丸くなっていれば良い程度なので控えめに削って良しとします。

これでなんとか完成です。
内は測れないし、見えないので、それなりにできていればわかりません
今回は中に何かが入るわけでもなく、それなりの形状ができていれば良いということだったので良しにしましょう

でも、どんな風に出来上がっているかは確認したいので、マイクロスコープみたいなデジカメが欲しいですね。歯医者さんが使っているやついいんですよね。



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