045 曲面加工

iso

2009年02月09日 18:00

ウチにはNC機はありません。
NC機は、数値制御(Numerical Contol)できる機械で、各軸が自動的に動いてくれます。
今では、コンピュータから加工データをもらいながら複雑な形状も加工できるようになっています。(らしい。)

NCでないものは、汎用機と呼ばれています。
汎用旋盤の場合、R(アール、曲面)の加工は不得意です。
テーパは刃物台を傾けて削ることができますが、Rは両手でX軸とZ軸(タテとヨコ)をうまく動かさないといけません。
オリンピックの時などに、砲丸投げの砲丸を作る人が紹介されていますね。
ウチにはそんな技能はありません。(>_<;)

そこで、小さいRは、バイト(刃物)を作りたい曲率に研いで、加工物に押し当てて削って作ります。
このバイトを研ぐのは、手作業なのでRの出来栄えもそれなりです。。。

この写真はR=10mmの刃物です。
この方法だと、コレくらいが限界ですね。
Rが大きくなると削る長さ(円弧)が長くなって、ビビッて(振動して)うまく削れません。
そんなデカイ刃物もあまりないし、キレイにRを研ぐのが難しくなってきます。

大きなRはどうするかというと、治具(じぐ)を使って加工します。
昔からあるジグなので、資料を探せば出てくると思いますよ。

これはR=50mmを削っているところです。
この方法だとコレくらいまででしょうか。
これ以上大きくなると腕の長さが長くなって剛性不足でうまく削れません。

これ以上のRは?って。。。
外注してください(^_^;)
まだ他にも方法があるようですが、試してません。
機械自体に手を加えないといけないのでね。

だって、、、
NCなら片刃バイト一本でスイスイっと削れるんじゃないんですか。。。
汎用機でやると、Rを加工している時間以上に、バイト研いだりジグ作ったりしてる時間のほうが、圧倒的に長いんですから。。。


内側のR加工も外側と同様に小さなRは、Rバイトで加工します。
大きなRは、専用のジグを使います。



以前の記事で紹介したモノの本チャンバージョンがこの典型です。
内も外もRだらけ。
材質もSUS316という硬くてネバイものに変わって、刃物が持ちません。
R部が短くなったのが幸いです。


  写真左=外側           写真右=内側

ウチに製作依頼を出すときは、直線なものお願いしますね。
角いモノ(フライス)の場合もね。
不必要にR付けると時間がかかって高くつきますよ。
外注するときは、連続するRのクネクネしたヤツでもいいよ。







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