037 仕事始め

iso

2009年01月05日 18:00

あけましておめでとうございます。

今年最初のネタは、何にしようかと考えていたのですが、めでたいネタもなさそうなのでタイトルの話を。

このブログのタイトルは「V=πDN/1000」(ヴィ イコール 千分の パイ ディ エヌ)です。
最初に色々キーワードを考えたのですが、旋盤でもフライスでも他の機械でも当てはまる言葉で響きの良いものって、難しいですね。
とりあえず、仮でこのタイトルを付けておきました。
なので、もっと良いものが見つかれば変わるかもしれません。。。
良さそうなのがあれば、教えてください。

さて、その意味ですが、
工作実習で学生さんが、しょっちゅう訊かれる質問「切削速度は?」「回転数は?」に答える式です。

V:切削速度(工作物と刃物の相対速度)。単位メートル
π:ご存知、円周率です。3.141592654…
D:工作物または刃物の直径。単位ミリメートル
N:主軸の回転数。単位RPM(1分間当たりの回転数)

旋盤では、工作物が回転します。
フライスでは、刃物が回転します。
どちらも相対的には同じ速度になります。
刃物か工作物の周速を求めれば良い訳です。
形削盤なんかの往復運動するヤツは、行程数と工程距離から出さないといけませんが。
直径10ミリで1000回転だと31.41m/minてな具合です。
直径がミリで答えの速度がメートルなので1000で割らなきゃいけないわけです。

条件によって変わるんですが、炭素鋼を削るとき、
ハイス(高速度鋼)の刃物だと20~40m/min、超硬の刃物だと100~120m/minが目安となります。
切削速度が速ければ速いほど、削る時間が短くなります。(効率的と言うことね)
切削すると熱が発生します。速度を上げるとさらに大量の熱が発生します。
その熱に耐えられるように、今ではサーメットやセラミックという素材も使われています。
その分、刃物代はかさみ、使用条件もシビアになります。

必要以上に切削速度を上げると磨耗も早くなります。
遅くすると構成刃先の影響で表面がザラザラになります。
ということで上記の値が目安となってきます。
最近は刃物の材質が向上しているので、もっと上げてもいけるようになってきてます。
この辺の突っ込んだ話は、そのうちに。

昔は、工具鋼より高速で削られるから「高速度鋼(ハイスピードチール)」呼ばれていたのにね。

研削盤などの砥石を使ったものでは、2000m/minくらい出ますから、時速120キロになります。


実際は、回転数を求める場合がほとんどですから、
N=1000V/πDのほうが実用的かな。
直径に「3」を書けた値が1000回転のときの切削速度になる。
と考えれば、簡単だと思います。
直径60ミリなら60×3=180
500回転なら90メートル、300回転なら60メートル、250回転なら45メートルといった感じ。

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