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2018年06月26日

656 企業向け研修

縁あって地場企業の研修を担当させていただきました。
入社2年目から6年目の若手社員7名を受け入れました。
ウチの機械科の卒業生もいるのですが、電気系の学科を出られた方が多く機械加工の知識も経験も少ないということです。それでは良い設計や製作上の改良をすることも容易ではないと言うことでした。
会社内ではそういった研修をする環境(設備、人材)が整わないということで、受け入れてもらえないかと言う成り行きでした。

1日目 旋盤
3グループに分かれて学生実習と同じものを加工してもらいます。

それぞれにウチの職員がついているのですが、教え方が三者三様で側から見ていて興味深かったface15
最後は御社で使用している製品を実際に加工してもらいました。

2日目 フライス盤
この日も3グループに分かれて、円柱から四面削り、キー溝加工、御社製品の穴あけ・ネジたて作業になります。




3日目 溶接・鋳造
午前中は、ガスカット、TIG溶接、アーク溶接

午後は、鋳造の砂型作成


朝から1日みっちりと3日間やらさせていただきました。
一般企業さんからの研修を受け入れるのは初めての機会で、お伝えする内容や言葉使いなど不安なことも多かったのですが、こちらとしても良い経験となりました。
研修費用が時間あたり数万円と言うことらしいので、それに見合う内容だったのか、それなりの結果を持ち帰られたのなら良いのですが。。。face12

こういった研修を必要としている企業さんも少なからず存在するのではないかと感じました。
ウチは民間企業のような最先端の技術や設備を持っているわけではないのですが、こういった基本的な、幅広い、アナログな、技法をお伝えすることはできると思います。伝える(教育・教える)という業務もこなしているわけですから。
こういった研修を一つの業務とすることができたのならば、地域貢献や外部資金の獲得と言った意味で大学への貢献にもつながるのかもなぁと感じました。

  

Posted by iso at 18:00Comments(0)研修・講習

2018年06月20日

655 引型

実習のネタがご無沙汰ですが、来年度からクォーター制の導入により大幅に変更になる予定ですので、無くなる前にできるだけ痕跡を残しておこうと思います。

鋳造の実習では、砂型の鋳型を作っています。
鋳造は、鋳型作り→鋳込み→バラシという流れですが、実習では時間や設備の関係で鋳型作りの部分のみ行なっています。
鋳型の作り方も色々とあるのですが、今回は引型を使った鋳型作りを紹介します。

まずは金属でできた枠、金枠を用意します。

その中心にトリメと呼ばれる鉄の杭状の物を打ち込みます。
このトリメの上部には、小さな穴が開いているので、それが潰れてしまわないようにアルミニュームでできた当て物をしてハンマーで打ち込んでいます。
これが引型の下側の支えになります。



次に上側の支えとなるウマを使って引型を保持します。
この時に金枠と引型の間隔が4辺とも同じになるようにウマの位置を調整します。


位置が決まればオモシを載せて固定します。
この時にウマがズレないように注意が必要です。


ここまできたら鋳物砂を投入します。
砂は取る場所によって海砂、川砂、山砂と分けられます。実習で使っている砂は、山で取れる山砂。
これに川砂や粘土(陶器を作るようなもの)が混ぜれれています。必要によっては耐火性の高いものが混ぜられる場合もあるようです。
今では耐火性の高い粒子と接着剤のようなものを混ぜ合わせた工業的に生産されたものが使われています。強度と通気性の相反する性質を両立させています。

この鋳物砂をスコップで枠の中に投入。
この後、固める工程があるので山盛りに。

これを突き固めていきます。
突き固めるのに突き棒(写真左)とスタンプ(写真右)があるのですが、まずは突き棒から。
突き棒の方が小さいから細かなところまで締まりやすい、面積が小さいので圧力は高くなる、尖った(丸まった)形状なので上下方向の圧縮に加えて左右方向への圧縮がかかる(クサビのような効果?)
スタンプは面が広いので均等に締める役割があります。(今回は使用しません)

枠に近いところから中心に向かって均等な力で突き固めていきます。突き方がアンバランスだと弱いところから崩れやすくなります。
どの程度に固めるのかが難しいところです。鉄を流しても壊れたり変形しない固さ(液体の状態でも重さは鉄ですからface11)、通気性を損なわない固さ、この相反する加減をしなければいけません。

これを3回ほど繰り返して枠よりも高くなるようにします。
引型が回るのを確認したら次の工程へ。

振るった砂を使って指でしっかりと押し固めます。
引型を回して余分な部分を削り取って整形。型には面取りしている側とエッジがついた側があるので、エッジ側で削り取るように回します。
こうやって回して使うので回し型とも呼ばれます。

ここから地道な作業を繰り返して完了です。

この後にひきまねと呼ばれる鋳物砂を粘土水で溶いたものをかけて表面を仕上げます。

これで中心部分とリング状の部分が出来あがります。
あとはこの中心部とリングをつなぐ部分“うでアーム)”と呼ばれる部分を作っていきます。
砂型をウデの数に分割しケガキ線を入れます。そのケガキ線に合わせてウデの型を彫り込むように作っていきます。

引型は中心が湯口となります。
上型になる方は穴を貫通させ大きさと形を整えます。
下型になる方は底を埋め栓をします。

これで一応完成です。

  

Posted by iso at 18:00Comments(2)実習

2018年06月14日

654 また壺

毎度出てくるこの形。毎回ビミョーに違うface11


外径は直径で2ミリ残して荒削り


内径はドリルで18→34→50の加工済み
超硬バイトで内径58まで荒削り。
さらにハイスのバイトで繰り広げ。段差は9ミリ

内径荒削り完了icon60

奥の45度のテーパ面削り。
ビビって表面が仕上がらないface14

次のバイト候補たち
左は太くて最奥部の18ミリまで入らない。
右は細くてビビる。
真ん中のヤツはシャンクは太いけど先端が細くなっているので18ミリをクリアできた。

最奥部の20はドリルで勘弁してもらう。
その最奥部の20と45度のテーパ面をRでつなぐ。

総型のRバイトで変に傷つく方が嫌なのでそれっぽく加工face12
どこ削っているか全く見えないし、加工後に覗き込んでもどこがどうなのか判断できないface12
バイトに残る痕跡でこの辺だろうなという事でことを済ませるface13


内径仕上げ
総型のRバイトで仕上げます。バイトの取り付け角度を変えて右側と左側を加工。

とりあえず内径完成


端面を仕上げ。
外径を芯が見られるように捨て削り。外径1ミリ残し。

トンボ(振り替え)して全長決めて細い方の外径仕上げ。45度のテーパ面を加工。その間のRを総型バイトでつなぐ。
太い方の外径を捨て削り。

トンボ(振り替え)して外径を仕上げてようやく完成。


内径加工はもっと良い方法があるはず。
特に奥の45度のテーパ面。
誰か教えて〜
あ、工作セミナーで課題解決型演習あるなら課題で出してみよう。。。face15
  
タグ :SUS304旋盤


Posted by iso at 18:00Comments(0)旋盤

2018年06月08日

653 急がば回れ

最初は手持ちの材料のパンチングメタルを板金でリングにできないかと言う相談でした。
穴の大きさと数次第では削り出した方が早いかもよ。形状も正確だよ。
と言うことでできたのがコレ。

外径20mm、内径16ミリ、長さ13ミリ
円周の穴2キリ16等分千鳥で2列
端面の穴1キリ8等分
材質:SUS303
加工機械:CNC旋盤 加工時間:4時間
プログラムさえ作れば面倒臭い穴加工するのは機械だからface11
プログラムも対話形式で入力すればそんなに手間ではない。ケガキすると思えばね。。。

  
タグ :sus303CNC旋盤


Posted by iso at 18:00Comments(0)旋盤

2018年06月04日

652 本日の一品(20180604)

品名:外側保護カバー/内側保護カバー
材質:PTFE
加工機械:NCフライス盤
加工時間:4+4時間(ジグ製作+8時間)
メモ:


  

Posted by iso at 18:00Comments(0)本日の一品